不動のセンター(ふどうのせんたー)

・アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のリーダー、百田夏菜子のキャッチフレーズのひとつ。チーフマネージャーの川上アキラや演出家の佐々木敦規らが百田を評してこの言葉を使う。
・「不動のセンター」の元ネタは、「不動のエース」「不動の四番打者」と思われる。プロレスネタが多い“ももクロ”には珍しい野球ネタだが、関係者やファンの間でよく語られるネタのひとつとして、百田夏菜子=長嶋茂雄論があるので、そこからの発想であるのかもしれない。



■「センター代」の秘密

マネージャー 玉さんと百田、座る位置が違うよ。
玉井詩織 私がセンターじゃだめですか?
マネージャー 早く替わりなさい。
玉井 えへへ、だめだってー。
マネージャー だめだよ、百田さんの親から月5万円もらってるんだから。
百田夏菜子 そうだよ。たまに月10万払ってここに座ってるんだから。
玉井 えっ、センター代!?
佐々木彩夏 私たちは3000円払ってるんだよ。副センター代。
玉井 そうなの!?
有安杏果 ここ1000円だよ。
高城れに だからかー!
  ももいろクローバーZ「Z女戦争」インタビュー(ナタリー)
   
■前田敦子と「不動のセンター」

 前田敦子がAKB48に在籍していたときも「不動のセンター」と呼ばれていた。前田がAKBに在籍していたころ、百田夏菜子は“あっちゃん推し”で、前田との共演が夢と語っていた。

 前田敦子が「不動のセンター」である理由は、プロデューサーの秋元康ですら、うまく説明できていなかったらしい。
あっちゃんの魅力......何だろうね。秋P(総合プロデューサー・秋元康)も「なんだかよく分からないけど人を魅きつけるのが前田の魅力」って言ってたけど。歌唱力や、メンバーを引っ張るリーダー性では、たかみな(高橋みなみ)に劣るし、ダンスも、いつもキレキレな大島優子とは比べ物にならないぐらい振りが小さくて、"省エネダンス"って言われてる
 「なぜ、前田敦子がセンターなのか?」AKB48の象徴・前田の魅力をヲタが大激論(メンズサイゾー)

 それでも前田敦子はAKB48在籍中はセンターとして圧倒的な人気と存在感を誇り、選抜総選挙でも、2009年から2011年にかけて、1位→2位→1位という堂々たる結果を残している。

■アイドルにおける「リーダー」と「センター」とは

 かつて日本のトップアイドルだったSPEEDでは、今井絵理子と島袋寛子がメインボーカルで残りの2人がダンス&コーラスと完全に役割が分かれていた。

 やはり一世を風靡したモーニング娘。では、リーダーとセンターが別の存在で、中澤裕子や飯田圭織らがリーダーを務め、センターは安倍なつみ、後藤真希などが担当した。2013年現在は道重さゆみがリーダー、鞘師里保(さやしりほ)がセンターで固定している。

 ラジオ番組で明石家さんまに後輩(道重や次期リーダー候補の飯窪春菜)に向けたリーダー論を問われた飯田圭織は、「リーダーとはセンターを諦めること」と答えた。リーダーは自分でセンターを狙うと、チーム全体が見えなくなってしまうので、周囲から推される場合は別として自分からセンターを狙うべきではない、とした。
 これに対して現役リーダーの道重さゆみは「一歩でもセンターに近づきたい」「でも実際まかせられたら無理って思ってしまう」と述べていた(2013年11月9日、MBSヤングタウン土曜日)。

 2013年現在、日本の女性アイドルの頂点に立つAKB48でも、キャプテンとセンターは別の扱いで、AKB48グループ総監督の高橋みなみと、A・K・B・4各チームのキャプテンがおり、それとは別にシングル曲ごとに選抜メンバーとセンターが入れ替わる。


■ももクロにおける「リーダー」と「センター」

 ももクロでは赤の百田夏菜子が「リーダー」と「センター」の両方を兼ねている。しかし、それは百田夏菜子が高橋みなみと前田敦子の両方の資質を備えていることを意味するわけではない。

理由1ももクロのリーダーは、まとめ役ではない。

 初期のももクロでリーダーが高城れにから百田夏菜子に変わったとき、百田は「あかりん(早見あかり)でいいじゃん」と最後まで抵抗したが、当の早見自身が大人の側に回って「私がみんなをまとめるから」と百田にリーダーを引き受けさせた。早見はその言葉通り2011年4月に脱退するまで、サブリーダーとして、メンバーのまとめ役やトークを回すMC担当、さらにももクロの特色となった突飛な企画のアイデアマンとして活躍し、ももクロの精神的支柱であり続けた(早見脱退後は、百田をはじめメンバー全員が成長することでその穴を埋めた)。

 そんな早見に支えられながら、百田夏菜子はアイドルグループとしての、ももクロのキャラクターや方向性を決定づける、カリスマとして成長していった。


理由2ももクロのセンターは、前列中央で歌う人ではない。

 AKB48の多くの曲では、ソロ回しで多少の動きはあるものの、センターとは文字通り前列中央で歌うグループの花形のことを指す。ここ最近のモーニング娘。の場合は、ダンスによって曲中の立ち位置はクルクル変わるが、鞘師里保がセンターボーカルであることは間違いない。

 それに比べると、ももクロの場合は曲中の立ち位置は常に変わり続け、ソロ回しも比較的均等に割り振られている。さらに言えば、ももクロの5人の強い個性を歌詞やダンスに当てはめることで、曲を視聴した時に与えるインパクトを最大化することに注力しているから、曲毎に目立つメンバーが変わってくる。
 それでいて、曲の中で一番ドラマチックに盛り上がる部分は百田が担当する割合が圧倒的に多い。これは百田がセンターだから、ではなくて、それができるから百田はセンターなのだと考えられる。


■圧倒的な存在感

 こうやって考えると、百田夏菜子の存在感は圧倒的であり、彼女自身がももクロの象徴となっているともいえる。それは次のような複数のファクターから成り立っている。

・見るモノに強烈なインパクトを残す、エビ反りジャンプとアクロバット。
・サビを盛り上げる情感たっぷりな歌い方。
・まるでキラキラと星の輝きと効果音が付いているかのような、笑顔。
・トークの回転の速さと、場を盛り上げる悪ノリ、ずうずうしさ。
・どんなときも全力な負けず嫌い。
・愛されるおバカぶり。

 こういった百田夏菜子のキャラクターは、そのまま、アイドルグループ・ももいろクローバーZの特徴として世間に浸透してしまった。

 ここで、百田夏菜子のアイドルとしての表現力がももクロ全体を引っ張っていると言える、ひとつの例をあげておこう。
 「ぱすぽ☆」や「アップアップガールズ(仮)」などアイドルグループの振り付けを担当し、自身がアイドルマニアとしても知られる振り付け師の竹中夏海は、テレビ番組「ZIP!」の企画で、さまざまなアイドルの振り付けの「萌えポイント」を紹介した。
 そのなかでTOKYO IDOL FESTIVAL 2010にももクロが出演したときの「走れ」の百田夏菜子による大サビのウインクを取り上げ、「この瞬間にももいろクローバーはブレイクしたんだと思う」と語っていた。(2013年6月25日、ZIP! チューモーク! 「アイドル好きのアイドル振付師! 竹中夏海」)

 このTIF2010の百田夏菜子の走れのパフォーマンスを絶賛する声は、いまだにYouTubeやニコニコ動画を通して広がり続けている。また、「ももクロ百田夏菜子は、長嶋茂雄である」(スポーツナビ)の記事のように、百田のカリスマ性に対する評価は常に高い。


■スターダストのセンター

 2013年11月29日、ももクロ、私立恵比寿中学、チームしゃちほこなど、スターダストプロモーション芸能3部に所属するアイドル54人が一同に会して歌う「七色のスターダスト」が2014年1月1日に発売されることが発表された。
 数時間後にYouTubeで公開されたMV動画では、百田夏菜子が54人のアイドルの最善列中央に立って、どうどうたるセンターぶりを見せていた。

 百田夏菜子はもはや、ももクロのセンターに留まらず、スターダストのアイドル54人の「不動のセンター」になったと言えるかもしれない。

■動画

元モーニング娘。メンバー飯田圭織のリーダー論「センターは諦めな」飯窪春菜(はるなん)は次期リーダー?虎視眈々と真中を狙う道重さゆみw morning musume ヤングタウン土曜日 20131109


momoclo @ 竹中夏海が語るももクロがブレイクした瞬間!


ももいろクローバー 走れ!


3Bjunior「七色のスターダスト」MusicVideo

 

 


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